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真の“くま愛”が問われる映画『ブリグズビー・ベア』の感想(ネタバレあり)

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ブリグズビー・ベア

2018年6月23日に日本で公開された、映画『ブリグズビー・ベア(原題:Brigsby Bear)』

「くまの映画だから」という単純な理由で、何の期待もせず観に行ったのですが・・。

見事に期待を裏切られました。もちろん、良い意味で(´・(エ)・`) !!

今年度の映画No.1と言ってもいいほどの傑作。くま好きのみなさん、ダマされてたと思って観てみてください!

今回は、映画『ブリグズビー・ベア』のあらすじと感想(※ネタバレ注意)を紹介します(`・(エ)・´)ゝ

あらすじ


外気から遮断されたシェルターで、両親と3人で暮らす25歳の青年ジェームス。

彼の楽しみは、幼い頃から毎週ポストに届くクマの教育ビデオ『ブリグズビー・ベア』を観ること。

パソコンでチャットしたり、番組研究に勤しんだり・・と、平穏な日々を過ごしていたジェームスだが、ある日突然警官に保護され、彼の両親は逮捕されてしまう。

実は、両親だと思っていた二人は、25年前にジェームスを誘拐し、隔離して育てていたのだった!

本当の両親の元に戻り、新たな生活を始めるジェームス。

実の妹、友達、パーティー、インターネット・・。

何もかも初めて体験する「外の世界」に困惑しつつも、次第にある「情熱」へと心動かされていく。

それは、『ブリグズビー・ベア』の映画を作り、ストーリーを完結させることだった—。

映画の感想(※ネタバレあり)

誘拐映画なのに暗くない

ブリグズビー・ベア

「主人公ジェームスは、誘拐・監禁され偽の両親に育てられた青年だった」という、衝撃的な事実から始まるこの映画。

何の前情報も入れずに、もふもふのくまに癒される気満々で観に行った私は、冒頭から度肝を抜かれました。

これはもしかして『ルーム』とか『八日目の蝉』のように、本当の両親の元に戻った主人公の苦悩や葛藤が描かれていく系の映画なのかな〜〜と思いきや・・。

被害者であるジェームスは、ブリグズビー・ベアのことで頭がいっぱいヽ(´@(エ)@`)ノ!!

とにかく、主人公はブリグズビー・ベアの新作が観たい一心。誘拐されていた過去を振り返り、悲嘆にくれる素振りは微塵もありません。

新しい環境への順応力も高く、あっという間に仲間とも打ち解けちゃうコミュ力の高さにもびっくり。

「誘拐」というシリアスな内容にもかかわらず、全然重苦しくなく、むしろ明るいコメディタッチで話が進んでいきます。

衝撃的なオープニングからは想像できない、予想の斜め上を行くストーリー展開に度肝を抜かれます。

主人公の優しさが世界を変える?

ブリグズビー・ベア

オタク気質で、心優しい主人公ジェームス。とにかく、このジェームスが超良いやつ。

少しズレてるところもあるけど、いつも前向きで、人のことを憎んだりしない純粋な心の持ち主です。

偽両親がついていた嘘が次々に判明しても、まったく怒らないジェームス。

普通だったら、自分の唯一の楽しみでもあり日々熱心に研究していたブリグズビー・ベアが「本当は偽父親が陰で作っていた偽番組だった」なんて知ったらブチ切れますよね!?

しかも、毎晩ブリベア議論を交わしていたチャット仲間の正体まで偽両親だったことが判明。

どんどん明かされていく衝撃的な事実を知っても、ジェームスが偽両親を咎めることは一切ありません。

そんな奇妙な環境で育った純真なジェームスに、最初はどう接して良いかわからない周囲の人たち。

しかし、ジェームスの超ポジティブでピュアな人柄に次第に感化され、彼の周りには自然と「やさしい世界」が形成されていきます。

彼の持つ前向きで邪心のない優しさに、観ているこちらの心もあたたかくなりました(´-(エ)-`)

ところで、主人公ジェームスのナヨナヨした見た目とオタクな性格。誰かに似ていると思いませんでしたか?

そう!あの『バス男』でおなじみ、ナポレオン・ダイナマイトにそっくり↓


ダサいファッションやメガネ姿、くるくるパーマの髪型など、主人公ジェームスと共通点が多いような気がしました。

好き嫌いあると思いますが、映画『バス男(原題:Napoleon Dynamite)』は私のお気に入り映画の一つ。

おしゃれなオープニングとゆる〜いストーリーが癖になる面白さです↓

マーク・ハミルの絶大な存在感

マーク・ハミル

この映画の最大のポイントは、誘拐犯の偽父がマーク・ハミルというところ。

マーク・ハミルなしでは、この映画は成り立たないとさえ感じるほどの存在感です。

マーク演じる偽父・テッドは、異質な環境の中ジェームスに温かい愛情を注いで育ててきました。

でもよーく考えたら、生まれてからずっとジェームスをシェルターの家に閉じ込めて、学校にも通わせず、インターネットも遮断、年柄年中くまの番組だけを見させる・・なんて常人のすることじゃありませんよね!?

冷静に考えると、テッドは立派な犯罪者。だけど、根っからの極悪人ではなく、どこか温かみがある人間。

ライトサイドにもダークサイドにも足を踏み入れている、そんな複雑なキャラクターをマーク・ハミルが見事に演じきっていました。

そもそも「誘拐犯があのルーク・スカイウォーカー!」という時点で、観客側は偽父テッドに「正義」を求めてしまうんですよね。

無意識のうちに、テッドが完全な悪者ではないと植え付けられてしまうワケです。

いや〜、スター・ウォーズの力は偉大ですね(`・(エ)・´)!!

「好き」を大切にする心

ブリグズビー・ベア

寝ても覚めても、ブリグズビー・ベアのことばかり考えている主人公ジェームス。

彼にとってブリベアは、いつもそばにいてくれた強い存在。いわば、ヒーローのようなもの。

しかし、本当の両親や妹にとっては、ブリベアはただの忌々しいくまなワケで、ジェームスがブリベアに固執する気持ちが中々理解できません。

それでも、好きなものへの執着心を貫き通すジェームス。

「あいつ(ジェームス)はクマに取り憑かれている」とぼやかれながらも、大好きなブリベアの映画製作を黙々と進めていきます。

映画製作と言っても、そのクオリティは素人レベル。ダンボールなど身近なアイディアを駆使して撮影された、低予算のアマチュア映画です。

完成した映画は、お世辞にも巧いとは言えない手作り感溢れる出来栄え。

しかし、そこに込められた「ブリベア愛」と「クリエイティブ魂」が、観客の心を揺さぶります。

周囲からなんと言われようと、自分の「好き」を大切にするジェームスのひたむきな姿。そして、クリエイティブに対する並々ならぬ情熱。

この2つが、映画『ブリグズビー・ベア』の伝えたかったことではないでしょうか。

何か大好きなものがある人や、ものづくりに携わっている人には、ずしりと心に響いたかもしれませんね。

実は、この映画の監督・脚本・主演を担当する3人は中学時代からの幼馴染。

そんなこともあってか、映画全体が温かい雰囲気に包まれているのも魅力です。

映画のアイディアとしては、ミシェル・ゴンドリー監督の『僕らのミライへ逆回転』(’08)を彷彿とした方も多いかもしれませんね。


かくいう私も、くまが大好きでこの『くまの定期便』というブログを運営してるわけですが、時々「くまのブログなんて誰が興味あるんだろう・・」と悲観的になる時があります(´;(エ);`)

それでも、ブログを書き続ける理由は、ただただ「くまが好き」という純粋な想いがあるから。

そして、「くまの魅力をもっともっと色んな人に知ってほしい!」という強い想いがあるから。

まさに、ジェームスと同じ気持ち!!

でも人間って、行き詰まったり、つらくなったり、人に否定されたりすると、こんな単純な理由さえも見失いがちになってしまうんですよね・・。

この映画を見て、「自分の好きなものに真摯に向き合うことの大切さ」を再確認させられたような気がしました!

くまとしての評価(★★★☆☆)

元祖おしゃべりぐまがモデル

ノスタルジックでB級感漂うくまの着ぐるみ「ブリグズビー・ベア」。

焦点が合っていない、ファービーみたいなギョロ目がちょっと怖いですよね(笑)

そんなブリベアのモデルとなったのがこちら↓

テディ・ラクスピン
元祖おしゃべりぐまの「テディ・ラクスピン」

日本ではほとんど知られていないと思いますが、80年代にアメリカで流行った「カセットテープの音声に合わせて目と口が動くクマのぬいぐるみ」のことです。

そういえば、映画『テッド』でジョンがテッドと喧嘩したときに「テディ・ラクスピンの方がよかった!(※日本語訳では「くまモンの方がよかった!」)」って言ってましたね(笑)

確かに、ブリベアの頭頂部の毛の感じがテディ・ラクスピンに似ているような気もします。

ブリベアの垂れ下がった眉毛なんかは、テッドゆずりでしょうか↓

人気くまキャラの良いとこどりなデザインのブリグズビー・ベアなのでした!

くま好きが憧れるジェームスの部屋

25年間「ブリグズビー・ベア」しか観てこなかったジェームス。

そんなブリベア狂の彼の部屋には、かわいいブリベアグッズがいっぱい!

ブリベアのぬいぐるみ、Tシャツ、シーツ、ルームランプ、ポスター・・など、くま好きにはたまらないブリベアグッズが部屋のいたるところに飾ってあります。

ジェームスの部屋は映画の冒頭にほんの一瞬映るだけなんですが、そのクオリティの高さは必見!

くま好きの皆さんは、まばたきせずに要チェックです(`◉(エ)◉´)!!

 

劇場情報・グッズなど

劇場とのコラボレーションフェア

劇場とのコラボレーションフェア

私は、渋谷ヒューマントラストシネマで鑑賞。

どうやら、映画館が入っている商業施設と期間限定のコラボフェアを開催しているようでした。

ブリベアのステッカーがもらえるということなので、私も便乗してこちらを購入↓

クッキーベアシェイク
「クッキーベアシェイク」( ¥450)

何をもって「ベアシェイク」と謳っているかはわかりませんが・・。

出てきた商品がこちら↓

クッキーベアシェイク
・・だいぶ、写真と違いますね。

ま、まぁ、ブリベアのステッカーが目当てだったし!気を取り直して、特典のステッカーに期待しましょう。

で、手渡された特典ステッカーがこちら↓

特典のステッカー
(´・(エ)・`)

(´・(エ)・`)

(´・(エ)・`)

(´・(エ)・`)

(´・(エ)・`)

まさかのカタカナ・・。しかも、ブリベアのイラストなし!!

だまされましたヽ(´。@(エ)@`)ノ

グッズの種類は盛りだくさん

さすがは、くまの映画。グッズの種類も豊富!

Tシャツやマグカップ、ポスターなど、ブリベアメインのグッズが盛りだくさん。

Tシャツが欲しかったのですが、残念ながら売り切れとのこと。

私が購入したのはこちら↓


『ブリグズビー・ベア』のパンフレット。

こちらは、ブリベアキャンディ↓

ブリベアキャンディ
CANDY SHOW TIMEとのコラボ商品。

中身はこんな感じ↓

ブリベアキャンディ
ブリベアの顔と映画タイトルがデザインされています。

食べるのがもったいない・・(´T(エ)T`)

映画館内には、主人公ジェームスが着ていたブリベアTシャツも飾ってありました↓

ブリベアTシャツ
わーー、欲しいっ!!

どうやらこのTシャツは、映画を2回以上見た人に抽選で当たるようです。

こういう類の抽選で当たった試しがないので、応募はやめときました。(テッド関連の抽選で、だいぶ痛い目見ているので・・笑)

まとめ

いかがでしたでしょうか。
衝撃的なオープニングからは想像できない、まさかのストーリー展開に目が釘付け!

コメディ要素も多めで、映画館は終始笑いに包まれ良い雰囲気でした。

97分という上映時間も、ストーリーがテンポ良く進んでちょうど良い!

時間が短いながらも、エンタメ性、メッセージ性がきちんと盛り込まれていて、本当に良く出来た脚本・演出でした。

くま好きに限らず、何か好きなものがある人やものづくりに携わっている人たちにもおすすめな映画です!

以上、映画『ブリグズビー・ベア(原題:Brigsby Bear)』のあらすじ・感想でした(´・(エ)・`)