2018年1月に、日本で公開された『パディントン2(原題:PADDINGTON2)』。
前作の『パディントン』から、さらにパワーアップした「紳士なクマ」が、ロンドンでまたまた大騒動を巻き起こします!
モフモフ好きもそうでない人も、子供から大人まで誰もが楽しめるハートフルコメディ。
今回は、映画『パディントン2』のあらすじと感想(※ネタバレあり)を紹介します(`・(エ)・´)ゝ
あらすじ
ロンドンで、ブラウン一家と共に平和に暮らすパディントン。
ある日、育ての親であるルーシーおばさんの誕生日プレゼントを探していたところ、アンティークショップでとても素敵な「飛び出す絵本」を見つける。
その絵本は世界に一つしかない、非常に高価なもの。
どうしても手に入れたいパディントンは、お金を貯めるためアルバイトを始める。
しかし、あるとき「飛び出す絵本」が何者かに盗まれるという事件が発生!
現場に居合わせたパディントンは濡れ衣を着せられ、刑務所に入れられることに。
果たして、パディントンは無実を証明し、「飛び出す絵本」を取り戻すことができるのか?!
映画の感想(※ネタバレあり)
パディントンだらけの映画館
私が訪れたのは、二子玉川の109シネマズ。
映画館の中は、とにかくパディントン一色!!
前作『パディントン』の時よりも、さらに宣伝に力を入れているようにも感じました。
入り口には、なんと3体ものパディントン像がお出迎え。
実物大パディントン♡
これには、来場していたみんなが「カワイイ〜♡」と写真撮りまくり。
もちろん、私もツーショット撮ってきました!
そして、壁一面の花と一緒に飾られた無数のパディントン↓
パディントンの他にも、馴染み深いグッズのオーナメントもチラホラ。
各映画館では、マーマレードにちなんだ商品も販売。
ちなみに、私が行った109シネマズは「マーマレードソーダ(¥480)」でした↓
もちろん、ゲット!!(´・(エ)・`)
甘酸っぱい炭酸と、オレンジのつぶつぶが美味しい(´♡(エ)♡`)
映画を観る前から、パディントンの誘惑にやられっぱなしの私(笑)
小さめのシアターでしたが、劇場内はほぼ満員。
レイトショーだったためか、お子さんはあまりいませんでしたね。
完璧な映像と脚本で魅せる
画像出典:The Telegraph
今回も、ネット上で高評価だった『パディントン2』。
評価が異様に高いと、なんとなく怪しく感じてしまう私なのですが・・。
前作の『パディントン』同様、期待を裏切らない内容でたっぷりと楽しませてもらいました!
なんといっても、映像と脚本の出来がパーフェクト!!ヽ(´@(エ)@`)ノ
前作よりさらにキラキラ感がUPしたロンドンの街並みはもちろん、パディントン vs ブキャナン(敵役)の息を飲むアクションシーンなど、臨場感あふれる映像に感服。。
特に、「飛び出す絵本」の中をパディントンとルーシーおばさんが観光するシーンは最高!
紙の質感を残しながらも、ロンドンの名所が余すことなく描かれており、まるで絵本の中に迷い込んだような感覚に。
観ていて「はぁ〜〜( ´-(エ)-`)=3 」と溜め息が出るほど、美しく幻想的な映像は必見です。
また、ストーリーに一切無駄がなく、どんどん話が進むテンポの良さもお見事!
104分という上映時間が、あっという間に感じました。
前半に仕込んだ伏線は必ずラストで回収しているので、消化不良が全くありません。
まさに、映画のお手本のような作品。100点満点の素晴らしい出来栄えでした!
センス抜群のお笑いセンス
画像出典:The Guardian
パディントンシリーズでは、そのハイクオリティなお笑いセンスも見どころ。
爆笑必至のシーンが次から次へと登場します。
床屋では、お客さんの後ろ髪をバリカンで刈り上げてしまい、禿げた頭にマーマレードを塗って刈った髪の毛を乗せるという大暴走。
窓拭きのバイトでは、重たいバケツを頭からかぶり泡だらけに。
刑務所内では、赤い靴下と一緒に囚人服を洗濯してしまい、囚人たちがピンク・フラミンゴになってしまうハプニングも。
どれも大体オチは読めるのですが、悪戦苦闘するパディントンの一生懸命な姿に、自然と笑みがこぼれてきます。
個人的には、ブラウンさんと夫人の夫婦コンビもツボでしたね〜。
パディントンとの面会時のやり取りや、ブキャナンの家に侵入したときの夫婦漫才もなかなか。
さすが大御所の俳優陣、間の取り方や視線の演技が上手い!!(`・(エ)・´)
最後、列車のシーンで見せるブラウンさんのヨガポーズには場内が大爆笑!!
いや〜、映画館でこんなに笑わせてもらったのは久しぶりでした。
パロディ満載の演出
前作『パディントン』でも、『ミッション:インポッシブル』など映画のパロディが多かったパディントンシリーズ。
実は、今作も映画通を唸らせるパロディネタ満載の内容となっています!
私がわかる範囲の元ネタを紹介していきましょう(`・(エ)・´)ゝ
① Mr.ビーン
まず、パディントンが床屋のアルバイトで失敗するシーンは、イギリスの国民的コメディTV『Mr.ビーン』のパロディ。
② ピンク・フラミンゴ
囚人服をピンク色に染められた囚人が、皮肉っぽく言い放った「ピンク・フラミンゴ」はアメリカのカルト映画。
③ グランド・ブダベスト・ホテル
刑務所内でのスイーツだらけのシーンは、『グランド・ブダペスト・ホテル』そのまんま!
というか、今作は全体的に(絵本のシーンや脱獄シーン、シンメトリーな構図など・・)ウェス・アンダーソンよりの作風にも感じられました。
④ ノッティングヒルの恋人
ブキャナンがエージェントと待ち合わせするリッツ・ホテルは、ヒュー・グラント主演の『ノッティングヒルの恋人』でも使われていましたね。
⑤ 007 スカイフォール
最後の列車での対決シーンは、『007 スカイフォール』のパロディ。
パディントンをダニエル・クレイグに見立てるなんて、贅沢すぎます(笑)
・・などなど、ところどころにパロディを挟む演出は秀逸。
映画ファンの人なら、観ていてニヤニヤが止まらないかもしれません!
ヒュー・グラントが「悪役」を熱演
画像出典:Wikipedia
『パディントン2』の注目点をいくつか挙げてきましたが・・。
やはりなんといっても、今作の目玉はヒュー・グラントではないでしょうか!?
というのも、何を隠そう私は小さいころからヒュー・グラントの大ファンヽ(´♡(エ)♡`)ノ
「パディントン」×「ヒュー・グラント」という、私にとっては夢のような共演!!
公開日をどれだけ楽しみにしていたことか・・。
「ラブコメの帝王」として知られるヒュー・グラントですが、今回は「悪役」という新境地にチャレンジ。
「クズ男役」なら何度か演じていましたが、悪役は初めてのような気がします。
そんなヒュー様ラブな私が感じた第一印象はと言うと・・。
「ヒュー・グラントも年取ったなぁ・・」というのが正直な感想(笑)
個人的には、ラブコメでのヒュー・グラントに慣れていたせいか、今回の「悪役」にはちょっと違和感ありましたね!
ファンタジーというジャンルを加味しても、演技が大味すぎて当たり役とは言えない気も・・。
「ちょっと頼りないけど、ユーモアがある色男」が魅力だったヒュー・グラントファンとしては、物足りない感じがしました。
「落ち目の俳優役」として考えると、(皮肉にも)名演技なんですけどね〜。
最後の刑務所内でのミュージカルも、なんだかパッとせず。
『ラブソングができるまで』(’07)で魅せたあの歌唱力は一体どこにいったの!?・・と一人悶々としていました。
それにしても、ブキャナンの部屋に若かりし頃の写真がズラーッと飾ってあったのはさすがに自虐的すぎましたね(笑)
ちなみに、ブラウンさん役のヒュー・ボネヴィルは『ノッティングヒルの恋人』(’99)にも出演。
久しぶりにWヒューの共演が見れて、ファンとしてはとっても感無量でした!!
パディントンから学ぶ教訓とは?
前作は「移民問題」を提起した内容でしたが、今回もそのメッセージ性はブレず。
EUからの離脱で孤立しようとしている、イギリスの現状を危惧した内容にも感じられました。
政治的な話はさておき、『パディントン2』が伝えたかったメッセージ。
それは、熊であるというだけでパディントンを忌み嫌うカリーさんに向かって、ブラウンさんが言い放ったこの言葉に集約されています↓
「人を見た目で判断してはダメ」
「人の良いところを見つけることが大事」
いつも礼儀正しく、真面目で、誰に対しても親切に接するパディントン。
そんな彼の周りには、自然と笑顔が溢れ、人々がどんどん幸せになっていきます。
しかし、パディントンが刑務所に入れられた後の街はどうだったでしょうか。
人々からは笑顔が消え、ギスギスした街の雰囲気になってしまいました。
まさに、「情けは人の為ならず」。
パディントンの些細な親切や気遣いが、周囲の人々の心を和ませ、巡り巡ってパディントン自身にも優しさが還元されていたのです。
皮肉にも、イギリス独自の文化でもあった「紳士の精神(=礼儀・マナーを重んじる)」が、どんどん薄れてしまっている現代。
そんな現状に、映画『パディントン2』は警鐘を鳴らしたのかもしれません。
偏見による差別をなくし、世間全体がパディントンのような誠実さと親切心を持ち合わせれば、みんながハッピーになれる。
絵に描いた餅のようではありますが、今世界に必要なのはそういう小さな積み重ねなのかもしれませんね。
くまとしての評価(★★★★☆)
パディントンの成長ぶりに驚愕
画像出典:The Telegraph
前作では、パディントンのリアルな姿に度肝を抜かれましたが、2ともなればすっかり見慣れてしまった私。
ロンドン中をクマが駆け回ろうと、全く違和感ありません。
むしろ驚いたのは、ブラウン家の息子ジョナサンの成長ぶり。
前作『パディントン』のときとは別人級の変わりよう。子供の成長は早いですねぇ(´-(エ)-`)
そう考えると、パディントンは見た目的にはあまり成長した様子は見られません。
しかし、精神的に成長し、ロンドンの社会生活にも慣れてきたことは一目瞭然!
耳掃除には電動歯ブラシを使い、自転車や車にも同乗。
洋服を一丁前に着こなし、一人で街中を徘徊、野良犬まで手なづけている始末です。
刑務所内では、料理も完璧にこなし、大型の洗濯機を使いこなせるまでに成長。(しかも、色落ちする物と一緒に洗ってはダメなことも知っている)
そこいらの人間より、はるかに家事能力が高くなっていてビックリ!
もはや、前作のようなモダンライフに混乱するパディントンはおらず、立派な主夫グマになっていたのでした・・!
クマは見た目が100%?
画像出典:The Telegraph
本作で「さらにかわいさ倍増?!」と思うくらい、キュートな見た目とチャーミングな行動に磨きをかけたパディントン。
今回も、モフモフ好きにはたまらないカワイイ仕草満載!
個人的に一番お気に入りだったのは、野良犬に餌をあげるシーン。
パディントンが中腰で犬を呼び寄せるフォルムが超カワイイ♡(一瞬ですので、お見逃しなく!)
もうひとつは、最後の列車でのシーン。
ジョナサン達がいる列車へ乗り移ろうと、カバンの中にある手巻き式のはしごをキリキリキリキリ伸ばすパディントン。真面目かっ!!ヽ(´@(エ)@`)ノ
「誠実さ」も大切ですが、パディントンの場合、そのかわいい見た目で9割方得しているようにしか思えません。
まさに「かわいいは正義!」を地でいくパディントン。
うーん、恐ろしい逸材です…(´-(エ)-`)
登場人物(キャスト)
今回、新しく出演したキャストを紹介!
フェニックス・ブキャナン(ヒュー・グラント)
若い頃は有名だったが、今はドッグフードのCMにしか出演していない落ち目の俳優。ブラウン一家の近所にある豪邸に住んでいるが、本当は金欠中。“飛び出す絵本”を盗み、お宝を狙う。
画像出典:The Telegraph
イギリス・ロンドン出身の俳優。オックスフォード大卒。
『フォー・ウェディング』(’94)、『ノッティングヒルの恋人』(’99)、『ブリジット・ジョーンズの日記』シリーズなど、多数のラブコメ作品に出演しています。
「ラブコメの帝王」とも呼ばれ、2.5枚目キャラを演じさせたら天下一品。
それとは裏腹に、『おいしい生活』(’01)や『ブリジットジョーンズの日記』(’02)での、「軽薄なクズ野郎」を演じさせてもしっくりきます(笑)
特に『アバウト・ア・ボーイ』(’02)は、音楽・脚本・演技とも素晴らしいので超オススメの作品↓
ナックルズ(ブレンダン・グリーソン)
パディントンが収容された刑務所内の料理担当。囚人から一目置かれるほど凶暴なため、まずい料理を出しても誰も文句を言えない。パディントンと共に、脱獄を試みる。
画像出典:The Guardian
アイルランド・ダブリン出身の俳優。小学校の教師を経て、俳優業に専念。
『ハリー・ポッター』シリーズのマッドアイ役で有名です。
料理人というキャラと風貌だけ見たら、ONE PIECEに出てくる「赫足のゼフ」みたいです(笑)
見た目のインパクトはありますが、実はあんまりパッとした役ではない印象。
周りの囚人たち(ノア・テイラーとか)の演技が巧さに助けられている感も否めない?!
まとめ
いかがでしたでしょうか。
お笑いあり、モフモフあり、家族愛あり、アクションあり、と老若男女楽しめる要素がてんこ盛り!
まさに、ファミリー映画の鉄板とも言える作品です。
もちろん、前作を観ていなくても十分楽しめる内容なのでご安心を。
笑って、泣いて、心温まるストーリーと、かわいいパディントンに癒されてください♡
以上、映画『パディントン2』のあらすじ・感想でした(´・(エ)・`)